結局残ったのは水ロケットとはやぶさだった

先日シャープの亀山モデル消滅の一報が届きました。

シャープが誇る液晶テレビのブランド「亀山モデル」が消滅へ

亀山工場と言えば、地方自治体の垂涎の的。工場誘致(地方税収確保)の成功事例の代表格とも言われた存在でしたが、わずか数年で幕を閉じることになってしまいました。いかな最先端の技術を以ってしても、国際的な水平分業の前にはわずか10年足らずでコモディティ化の波の中に飲み込まれてしまう、という事実をまざまざと見せ付けられた。そんな事例に亀山工場は変貌してしまいました。

技術立国日本は一体どこへ向かえば良いのでしょうか。


そんな折り、60億キロという途方も無い距離を走破した「はやぶさ」の地球帰還がいよいよ迫ってきていました。その存在を知った当初、ニコ動で有志の方が製作された映像を観た時は、ただただ目から涙が溢れ出ました。

イオニアボイジャーをニュース体験した世代(年齢がバレてしまいますね笑)としては、木星土星の映像にワクワクしながらも、「月軌道を超える」ことは永遠の別れであって、現実は宇宙戦艦ヤマトのようにはいかない、ということも実感しています。

ゆえに、深淵なる宇宙から帰還する。ましてや機体は満身創痍ともなれば、涙腺は緩み放しになってしまうのでしょう。正に「オカエリナサλ」であります(笑)

(ちなみに、そのボイジャーも 2号が打ち上げから 30年以上の月日を経ていよいよ太陽系を離脱しようとしています。太陽圏を脱出する初の探査機:ボイジャー2号に不具合 | WIRED VISION)


私は、そんな「はやぶさ」のことを知れば知るほど、宇宙開発(探査)こそが日本の進むべきもう一つの道ではないか、子どもたちに未来への希望を示す道標になるのではないか、と思うようになりました(ちなみに、もう一つは深海探査)。

はやぶさ」に代表される宇宙への取り組みがいかに大きな日本の誇りであり、国民にとって、特に「子どもたち」にとって未来に希望を抱く大きな存在 「はやぶさ」は日本の科学技術の誇り:日経ビジネスオンライン

宇宙は決して理系だけの分野ではありません(極端な例であれば、宇宙飛行士さんのメンタル面に心理学が必要になりますよね)。正に我々の総合力が試されるフィールドです。ゆえに特定の才能に左右されず、意欲さえあれば挑戦できる未開発の領域が広がっていると思いますし、そのような領域こそが他の追随を許さない先行者利益を確保できる「技術立国日本」に相応しい立ち位置だと思うのです。


そこで、「興味は幼いころから」ではありませんが、子どもたちが宇宙に関心を持ってくれるよう、星空少年だったころの知識を総動員して最近はよく宇宙の話をするようにしています。子どもたちもそれなりに惹かれるものがあるようで、

宇宙はどうやって生まれたの? / 神さまがこうやって...手をパンと打って生まれたんだよ
宇宙に果てはあるの? / ホーキング先生が言うには、あるそうだよ
宇宙の果ての向こうはどうなってるの? / ホーキング先生曰く、そのまた向こうにも別の宇宙があるそうだよ
銀河ってキレい。 / そうだね

とまぁ、質問攻めにあっています。流行りものではありませんが、全天周映像 HAYABUSA -BACK TO THE EARTH- も観に行きました。ふと、子どもたちの方を見ると涙をボロボロ流していて、それなりに心に響くものがあったようです。


そんな中、こんなニュースが舞い込んできました(ようやく本題に到達しました苦笑)。

水ロケット めざせ世界大会  - 山梨日日新聞 みるじゃん

こちらは、まだまだ幼ない子どもたち相手に宇宙への関心を高めている真っ最中ですが、中学生のお兄ちゃんたちは、

田辺君はもともと科学には興味があったといい、「ロケットを飛ばすことが小さいころからの夢。今度は自分自身で作ったロケットを飛ばすチャンスなので頑張りたい」と話している。

もうマジで夢に向かっている。ガチでどんどん挑戦してくれちゃってる。うんうん。いいぞ。君たちのその想いが未来への原動力になるんだから。このニュースを読んだ時オジサン、本当に嬉しくなってしまいました。

ところが、先日ある飲み会に参加して、先輩のご子息たちと知り更にビックリ。幼いころに会ったことがある、あの子たちがこんなスゴい挑戦をしている。先のボイジャーではありませんが、何やら時間を越えたような感覚を覚えましたし、こういう子たちがいる限り、まだまだ日本も捨てたもんじゃないとも思いました。

いやぁ俄然オジサン、嬉しくなってしまいましたよ。こうなったら、何がなんでも世界大会へ。応援していますよ!

追伸: 8/7(土)に JAXA で開催されたました国内選抜を無事突破しました!次はオーストラリアでの世界大会です。頑張れ!